アキタの檻

此処には阿呆な話しかない。

スタバに毎日通っていることを大学時代の自分に教えてやりたい

今年の4月から働き出して早4カ月が経過した。働く以前は何よりも「残業」に恐れをなしていたが,なんだかんだ毎日定時で帰ることができている。かといって家に帰ったところで,ダラダラと時間を無駄に過ごしてしまうだけだ。そこで最近は,仕事終わりに近所のスタバに寄ることをルーティーンとしている。

 

私が初めてスタバの門をくぐったのは,大学に入ってからだ。

私はグンマ国の辺境に生まれた。高校時代までは,スタバなどという高度な文明の産物とは何の縁も無い狩猟生活を送っていた。なお,グンマ国民の文化・風習に関しては,以下の論文に詳しい。

 

グンマ国の高校を卒業した私は,晴れて日本の京都にある某大学に入学することとなった。京都に住みだしてからは,毎日が驚きの連続であった。グンマ国民の聖地たるイオンモール高崎に匹敵する巨大建造物がそこらここらに在るのだ。これはカルチャーショックとしか言い様が無い。

 

さて,京都に住みだして1年ほどたった頃だろうか,私は一時的にグンマに帰国した。一週間ほどグンマで過ごし,再び京都に戻る段になって,母は餞別として1枚のカードを私に預けた。

それはなんと「スタバのトールサイズのドリンク無料引換券」であった。

私は驚いた。なぜ母がこのような物を持っているのか。スタバの無料引換券と言えば,グンマのブラックマーケットでは,ダイヤモンドや象牙に匹敵する価格で取引される代物だ。このカードさえあれば,意識の高さチョモランマ級の選ばれし人材のみがその門をくぐることを許されるというあのスタバに,私も入ることが出来る。ふと冷静になった私は,このような希少品を手にしていることを他人に知られたらヤバいと思い,カードをスッと懐に隠した。

母は言う。
「このカードは,貴方にとって大事な日に使いなさい」

 

私は母の教えに従い,この無料引換券を使うに値する「大事な日」が来る日を待った。しかし,貴重な無料引換券を使うに値する「大事な日」など,待てど待てど来なかった。このカードを持っているというだけで,神経をすり減らす毎日だった。いつか誰かにカードを盗まれるんじゃないか,そう想像するだけで夜も眠れなかった。

そうして一年ほど経った。ある日,自暴自棄になった私は,もはやこんなカードなど,さっさと使ってしまおうと決意した。

三条河原町のスタバに突撃した。
オシャレ人間が占める空間の中で,私は明らかに場違いだった。
一刻も早くここから飛び出したい気持ちに駆られた。
だが,その気持ちを押さえつけ,何とかレジまで到達する。
そして,意を決して,カウンターに無料引換券を叩きつける。
私は叫んだ。

「トールサイズでアイスのキャラメルマキアートを豆乳変更で。あとショット追加で,ソース多め,氷少なめでお願いします」

 

・・・

 

数秒間,間が空いた。

 

店員が肩をすくめる。
私はここで敗北を悟った。
私はスタバに選ばれし人間などでは無かったのだ。

 

・・・

 

店員が口を開く。
「あの,申し訳ございませんが...このチケット,期限が切れています...」

 

 

 

大学時代の自分に教えてやりたい。

私は今,毎日スタバに通っている。

「大事な日」じゃないのに何故?

君は,そう問うだろう。

違うんだ。

「大事な日」なんて,待っていても向こうからは来ない。

一日の最後にスタバに行く。

それだけで,その日が「大事な日」になるんだ。

 

 

 

 

 

また意味不明な記事を書いてしまった。
トールサイズのコーヒー,お替りしよ。